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難病研修を受けて
難病についての研修を受けてきました。

難病対策の法律はほんの数年前(平成27年1月「難病法」)にできたばかりで、対策は(高齢者介護や障害者支援に比べても)遅れに遅れています。難病の総数は7,000以上あると言われていますが、難病法が定める(助成対象となる)指定難病はまだ331です。

遺伝子検査の進化により、難病の判定検査が容易になりましたが、それに対する医療費助成だけでなく、患者さん・ご家族の肉体的そして精神的支援体制も十分ではありません。

難病の病名を告知された患者さん、そして患者さんの精神的ショックはとても大きく、(眼球運動以外の全身の筋肉が次第に衰える)ALSを発症した時には、2年後には自力呼吸ができなくなるという現実を突きつけられ、人工呼吸器を使うかどうかの選択も迫られます。

また、核家族化が進む中で、多発性硬化症のように若い女性が多い難病では、小さなお子様を誰が世話するかという問題もあり、本人だけの支援では不十分なこともあります。かといって、財政にも限りがあり国に頼れない中で、実際にはママ友や地域のPTAなど、周りが支えているケースも多いそうです。

講師である医療ソーシャルワーカーが昔、ハンチントン病など優生遺伝(50%お子様へ遺伝する)難病を発症した20代の女性から、「私、結婚してもいいのですか?」「子供を生んでも良いですか?」と聞かれた時には、何も答えることができず本当に辛かったという話も聞きました。(現在では難病医療推進センター等を持つ病院では、カウンセリングチームがあり、さまざまな悩み・相談にしっかり対応できる体制があるそうです)。

人には一人一人にそれぞれ人生があり、生き方・価値観・そして物語があります。難病のケースだけではありませんが、生活や命に大きな影響を及ぼしかねない疾患に対しては特に、病気を診断し、治すだけでなく、その人の生き方や価値観も聞きながら、何がその人にとっての最善なのか、医学的な知見だけでなく、本人の生活と人生において、医療行為の意味を捉え直し、医療チーム全体で患者さんの意思決定を支援していくプロセスが必要であるような気がしました。

2019-04-14 17:14:54