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落語の魅力
最近、落語にはまってます。名人の落語を聴いていると自分の想像力がカーっと掻き立てられて、頭の中がその情景でいっぱいになっちゃう。そして聞き終わった後はなんだか心が元気になる。まるで疲れた心に栄養補給した様なそういう感覚があります。これは朗読を聞いた時と同じなんです。ですので私の感覚の中では落語は朗読にとてもよく似ています。

でも落語を聞いていて気付いた事があります。それは大昔の話なのに、内容といえば、お金がない・人間関係・親子関係がうまく行かない・男女関係のもつれ、あるいは仕事のトラブル、そんな事でドタバタやってる話ばかりで、それらは現代のわれわれが抱えている問題と何も変わらない。つまり昔も現代も人間の本質というものははずーっと普遍的に何も変わってないという事なのです。そして、落語が素晴らしいのは、そういう時代が変わっても変わらない人間の欲深さや汚い部分を全く否定せず、むしろ笑い話にして、ありのまま肯定してしまっていることです。

ですので、落語を聞いていると、自分が抱えている悩みや問題なんていうものが、これっぽちも特別なじゃなくて、昔からどこにでもあった、何百万回、何億回という人の数だけ繰り返されている類の話に過ぎないものだと気付かせてくれるのです。そしてしょせん人間ってそういうものだよ、うまくいかなくて当たり前なんだよ。しょうがないんだよ。と考えると、とても気が休まるわけです。 とにかく最近落語を知り始めたばかりで落語初心者の私ですが、今日は独断と偏見で落語の魅力を語ります。

落語は江戸時代に生まれました。登場人物はというと大体決まっていて、貧乏長屋に住む職人でそそっかしくて喧嘩っ早い「はっつぁん」こと八五郎と「くまさん」こと熊五郎、そして物知りの「横丁の隠居」、そして金にうるさい長屋の大家に、商売を営むお金持ちの「大旦那」と、放蕩息子の「若旦那」、彼らが様々な騒動を巻き起こす。

落語の楽しさ、それは気楽さにあります。どこにでもいそうな人間達の巻き起こすドタバタ劇、聴いているお客さんの方が、演者に対して「何をバカな事いってやがんだい。」とむしろ上から目線になれる気楽さ。これが、能とか歌舞伎等、あるいはオペラやクラシックのコンサートになるとこうはいきません。どうだ、素晴らしいだろ!と言わんばかりの演者に対して、こっちは「理解できないイコール自分の勉強不足で恥ずかしい。」という頭がありますから、必死で周りの反応の遅れをとらない様にして、ビクビクしちゃったりします。

とにかく落語は現実を肯定し、上から目線ではありません。ですのでイソップ寓話のような、教訓や教えなんかはありません。逆に落語を聞いていると、これまで我々の意識を縛ってきたイソップ寓話の偽善性や嘘が見えて参ります。アリとキリギリスと言う話がありますね。まじめでコツコツ働くアリが夏の間に頑張って冬の食糧を蓄えている。それを尻目に怠け者のキリギリスは遊びほうけている。そして冬になると食べ物の無いキリギリスが餓死してしまう話です。つまりこの話は、遊んでないでアリさんのようにコツコツ働きなさい、キリギリスの様な生き方をしていると罰が当たりますよと説教する話なのです。

でも考えてみて下さい。みなさんの周りにもキリギリス人間はいると思いますが、リッチで優雅なキリギリス人間は冬に皆餓死してますか?案外冬に暖かいところで美味いもん食ったりしてますよねw。ウサギとカメもそうです。意地悪で要領の良いウサギ人間が、のろまなカメ人間にいつも負けていますか? つまり現実はそんなイソップ寓話の様には行かないんです。だって人間っていい部分もあるけど汚い部分もいっぱいある。その人間達が集まった社会が、そんな理想通りに行くわけが無いのです。

その点、落語では、いつも悪さばかりしている放蕩息子の若旦那も堂々と生きていて、ちょっとしたことから大活躍しちゃったりもする。人間社会のあるがままを全く否定することなくそのまま描いている。その潔さが気持ちいいのです。 人は生きていく上で、ああなりたい、こうなりたい。こうあるべきだ等と目標があったり、上手くいかないのは自分がせいだ何とかしないきゃ等と考えたりします。それが日々の頑張りのエネルギーになっているうちは良いですが、頑張ってもどうにもならないこともありますので、段々段々そういう意識が自分を縛り付け、身動きがとれなくなっちゃう事もあります。

人間や人間社会というものは昔からずーっと変わらず、思い通りになんかなるものじゃない。今の自分の悩みも解決できなきゃ、それはそれで仕方ないものなんだと、吹っ切れさせてくれる力。それが落語の一番の魅力なんだと私は思います。

2016-04-01 07:19:00