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始めてみませんか?「人生会議」 ~話し合いの相手・プロセスこそが大切です~

みなさん、人生会議という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?人生会議というのは、自分の命が終わりに近づいた時、いわゆる終末期において、残された時間をどのように過ごすのか、そしてどのような医療・ケアを受けるのかという事を、前もって家族や身近な人、そして主治医、ケアマネージャーなど医療・介護の専門職と、繰り返し話し合っておくことを言います。
こういう話をすると、よく言われます。
「今はまだ元気やからええねん。その時がきたらまた考えます。」
しかし残念ながら、実際は、「その時」には、考えることも伝えることも難しい状態なのです。

人生の最終段階においても、最期まで自分らしく生きるためにどうすればよいのか。元気な今のうちに何をしておけばよいのか、そして人生会議は何なのか?それを、皆さんと一緒に考えて行きましょう。

皆さんはリビングウィルという言葉を聞かれた事がありますか?これは日本でよく言われるエンディングノートに近いもので、自分の意思表示が出来なくなった状況において、どこまでの医療やケアを容認するか、延命治療を希望するかなど、事前に書き記しておくものです。
しかし残念ながら、リビングウィルを世界で最も早く法制化するなどして進めてきたアメリカで、リビングウィルが実際の場面であまり役に立たないことが明らかになりました。
ではなぜ役に立たないのか、その事例をいくつか挙げていきましょう。
①健康時に書かれたものは、様々な疾病における細かな状況を理解・想定しておらず、実際の医療の現場では使えないことが多い
②家族への十分な相談と根回しなく自分ひとりで考えて書いたものは、いざというときに家族の意向で覆されることが多い
③また、仮に身近な家族には十分話していても、急変時に駆けつけた遠方の家族の意向で、覆されることもある(「カリフォルニアの娘症候群」)
④書き記してどこかにおいてあるリビングウィルが、急変時に見つからないことがある
⑤もし誰かが救急車を呼んでしまうと、救急隊は蘇生処置を含めた医療対応を直ちに行いながら、救急病院へ搬送します。
そこで仮に家族がリビングウィルの存在、延命措置が不要であることを訴えても、患者を救急病院に繋ぐことが使命である救急隊は対応できません。

如何でしょうか、人生の最後の医療対応を自分の思い通りにすることがどれだけ難しいのかご理解いただけたと思います。

さて、ここでみなさんに質問です。
「救命」と「延命」、何が違うのかはっきり説明できる人はいますか?
文字通りにいえば、「救命」は命を救うことで、「延命」は命を伸ばすこと。

大きな病気や事故に遭ったとき、救命が成功すれば、以前の状態近くに戻す事が可能です。けれども、もし救命に失敗すれば、以前の状態には二度と戻れず、身体を動かせなくなったり、食べられなくなったり、あるいは意識ない状態のまま、人工呼吸器や点滴で命をつなぐ状態となります。これが結果的に延命です。

ほとんどの人が、リビングウィルやエンディングノートに、「延命は要らない」と書きます。
しかし救命に失敗した状態が延命になるということを知っていれば、延命は要らないということが、現場の医師にとってどれだけ難しいか理解できると思います。

救命救急の医師は、搬送された患者さんを全力で救命しようとします。しかし全ての患者さんを救えるわけではありません。救命のつもりで治療してみた結果、うまくいかずに後から思えば延命になってしまったというケースは日常茶飯事です。
そして意外に知られていないことですが、一度延命治療に入ってしまうと、それを取り消すことはできないのです。つまりいったん繋がれた人工呼吸器を外すというような行為は、いわゆる「消極的安楽死」と見なされ、訴訟や医師免許取り消しなどのリスクがあるため、殆どの医師はこれを拒否します。

つまり、せっかく延命治療はするなと言っても、結果的にそれが行われるということが起こるわけです。

では一体どうすれば良いのか?今注目されているのが、「人生会議」と呼ばれるものです。
これは、いざという時に関わる家族全員、主治医を含む医療関係者、あるいは生活の世話をする介護スタッフたち皆で話し合いを継続することです。

リビングウィルとの違いは、
・自分だけではなく、いざというときに関わる家族・そして関係者と話し合うということ
・話し合いを病状・病状の変化に応じて継続するプロセスであること
です。

急変時に実際に関わる医師たちも巻き込むことで、自分の望む形により近づけやすくなります。
また、本人の気持ちは病状や状況の変化に応じて変わるものです。
若いころ、「人工肛門になるくらいなら死んだ方がよい」と言っていた人が、実際に人工肛門をつけると、「こんなの全然気にならない。それより生きててよかった、美味しいもの食べれるし。」と言われたりします。だからこそ継続する話し合いのプロセスが大事なのです。

このプロセスによって、いざという時に本人が意志表示ができなくなっても、関わっている人達が話し合って、「本人の意思を推測」することが可能となります。今実際に緩和ケア病棟などを持つ病院では、意思表示できなくなった、本人の意思をどう尊重するかということで、家族や医師、そして介護関係者も交えて会議を行い、治療方針などが決められています。

みなさん、
「旦那(息子)に言ってある」
「ちゃんと書いておいた」
「近所の人がちゃんとやってくれる」

などというのは、必ずしも大丈夫とは言えません。家族全員と主治医の先生や看護師さん、ケアマネージャー、ヘルパーさんなど、関わるみなさんと、話をしていきましょう。
話し合いの相手、そしてプロセスこそが重要なのです。

始めてみませんか?人生会議。